「モーターは減速して使おう」で解説した通り、多くの用途の場合、モーターの回転数そのままでは速すぎて使えません。歯車等を使って減速を行う必要があります。
減速を行う方法としては、「市販品の減速機を使う方法」と「自分で減速部分を設計製作する方法」、「その2つを組み合わせた方法」があります。場合に応じてどの方法を採用するかを検討しましょう。
ここでは 「市販品の減速機を使う方法」で、どのように減速比を決めるかを考えてみましょう。
このように自走型のロボットを走らせたいのですが、
モーターの減速機はどうやって選べば良いのですか?
まずは、どれだけの速度を出すかを決めましょう。
う~ん
速めの速度にしようと思います。
・・・ 「速め」じゃ困ります。
数値で出してください。
では、時速6km にしようと思います。
分かりました。
次に、タイヤの直径を教えて下さい。
タイヤの直径は60mmです。
ということは、タイヤ1回転で
何mm進みますか?
え~と
60mm × 3.14で
188mmです!
OKです!
使うモーターは決まっていますか?
こんなモーターが部品置き場にあったのですが、
これで良いですかね?
タミヤの380モーターですね。
本来は必要な出力から逆算してモータを選定すべきですが、
今回は割愛しましょう。
その程度のモーターで十分動いてくれると思います。
回転数は 何rpm か分かりますか?
18000rpm らしいです。
分かりました。
これで必要な数値が出揃いました。
計算で、必要な減速比を求めましょう!
え~ 計算~ (汗)
大丈夫ですよ~
+-×÷ だけでOKです。
計算の手順はいろいろありますが、
今回は1つずつ確実にやっていきましょう
分かりました。やってみます。
まずは、出揃った数値を書き出しましょう。
出したい速度 | 時速6km | (1時間に6km進む) |
タイヤの円周 | 188mm | (1回転で188mm進む) |
モーターの回転数 | 18000rpm | (1分間に18000回転する) |
↑ こんな感じですね。
いいですね。
今回は単位を
「m」と「秒」に揃えてみましょう。
まずは長さの単位を「m」に揃えましょう
出したい速度 | 時速6km | 6 × 1000 → | 時速6000m | (1時間に6000m進む) |
タイヤの円周 | 188mm | 188 / 1000 → | 0.188m | (1回転で0.188m進む) |
モーターの回転数 | 18000rpm | – | – | (1分間に18000回転する) |
↑ できました。
いいですね。
次に時間の単位を「秒」に揃えましょう。
出したい速度 | 時速6000m | 6000 / 3600 → | 秒速1.67m | (1秒間に1.67m進む) |
タイヤの円周 | 0.188m | – | – | (1回転で0.188m進む) |
モーターの回転数 | 18000rpm | 18000 / 60 → | 300rps | (1秒間に300回転する) |
↑ できました。
これで単位が揃いました!
OKです。
では、大詰めです。
減速機を付けず、モーターで直接タイヤを回した場合、
1秒間に何m進みますか??
え~と ん~ !
タイヤの円周とモーターの回転数を掛ければよいですね!
0.188 × 300 = 56.4
秒速 56.4m です!
??! 速っ・・
正解です!
最後に、「出したい速度」にするためには「何分の一」の速度に
すればよいかを計算します。
56.4 / 1.67 = 33.8
33.8 が必要な減速比ですね!
その通りです!
タミヤ380モーターの場合、
10・20・30・36・75・100・150・300
の減速機がラインナップされているので、
「減速比 36 か 30」のものを選ぶと良いかと思います。
ありがとうございます!
さっそく作ってみます♪
完
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